羽化

――――最初の頃は目を開けていることも出来なかった。覆い被さる躰は明らかに自分とは違う、男性の造りで・・・それは自分への欲望をあからさまに反映して猛っていたから。でも少しづつ慣れてきて、いつの間にか快楽を愉しみ、ソレが欲しいと思うように変わっていった。
その変化と同じくして、自分を変えた男を可愛く感じるようになった。自分への欲望を抑えることが出来ない男の性を少し哀れにすら思う。最後の瞬間の苦しげなひょうじょう顔は無防備ですらある。自分に、己の躰で所有印を刻もうとするような男は、ただの男ではない。最高の美貌と力を備えた、世界でも指折りの男。そんな男が自分の前ではいっそ幼く思えるほどに一生懸命なのだから・・・。

既に期待にはちきれそうになっているソレに密やかに指を這わす。既に自分の躰は十分に潤っていたが、もう少し男を待たせたい気分だった。這わした指先を先端にもっていき、そろりと撫でる。まるで愛用の楽器の調子を調べるかのようにゆっくりとした動きに、あからさまに高まる硬度。身を起こして躰の位置を入れ替えようとする男の動きをするりとかわして、愛しむように軽く口づける。口づけは頤から顎。顎から喉。喉から胸元へと下降線を辿る。時折思い出したように軽く吸って、うっすら朱色の痕を男の象牙色の肌に残す。口付けが引き締まった腹に降りてきたあたりで、ソレはぴくりと動き、更に反り返った。
流石に待たせ続けるのが可哀想になった。詫びるように口付けを落とすのは、限界ギリギリの猛り。それでもゆっくりした動きは変わらない。先端を飴玉を転がすように含む。

男の美貌が、苦痛に歪んだ。だがその表情は彼女の瞳には何よりも可愛く映った。


ということで、ちひちゃんに、チャット中に即興で書いて頂きました☆
ラスさま攻めv(ここぽいんと)もう、どきどきものですねv闇主さんによって
羽化させられたラスさまに、今度は翻弄される闇主さん(*><*)
タイトルは、読ませて頂いて思いついた「羽化」と勝手につけさせて頂きました(ちひちゃん、ごめんね;;)ではでは本当に有難うございましたv

後書担当 ちな
背景素材提供「Fin*」様