桜、咲く
春が来た。
このところは、穏やかな日々が続いている。
ここの家にも優しい風が訪れる。
ぶわーっと、見事な霞がかかった桜。
桃色、白色、微妙な色合い。
赤は嫌いだけど、この色は好きだと茅菜は思う。
…一番好きなのは、黒だけど。
「茅菜、余所見しちゃ駄目だよ〜」
そんな彼女に声が、かかった。
苦笑いをしてるヨル。
彼は、木の棒を持っている。
今は、二人で料理をしているのだ。
「ごめんごめん、あそこの桜が綺麗だなーって」
「ああ、ラスさんがサティンさんに苗木をもらってきたやつだよね。
見事に咲いたもんだ」
「うん。ラスが喜んでくれれば、私も嬉しい」
「それでこれを作ってるわけか」
「うん」
ふっくらした生地。
甘さ控えめの餡。
茅菜特製の桜餅。
「セスランさんからは、お茶の葉を差し入れしてもらったから。
料理は僕が作るね」
「うん」
とんとん。
「はーい」
ドアを叩く音がする。
「茅菜ー花見に来たぞ」
開けたら、大好きなラエスリールがいた。
皆も一緒だ。
「すごいなー、これは茅菜が作ったんだ」
「えへへ」
「あ、兄ちゃんには茣蓙なんかなくていいだろ」
「そういうお前こそ、浮いてりゃいいじゃねーか」
邪羅が用意した茣蓙で、二人は喧嘩してる。
リーヴシェランと彩糸が仕事でいないのは、幸いだったか。
セスランはそ知らぬ顔だ。
其れを他所にサティンは一応弟子と認めたヨルの料理をほおばっていく。
「ヨルも腕があがって嬉しいわ、私の料理がかすんじゃうけどね」
「そんな事無いですよーサティン師匠。このサンドイッチもさすがに絶品だし」
「そう言って褒めてくれるの、ヨルだけよー。ほんと鎖縛ってば無愛想すぎて〜」
「…」
各々、お茶を片手にしながら、和気藹々とした雰囲気で花見は終了。
茅菜は、桜餅をラスに褒めてもらえて、ご満悦でした。
ただ、やはりあとで邪羅は、リーヴシェランの琴でぶん殴られたそうです。
おしまい。
ラス様の為に桜餅を作る茅菜ちゃんとヨルvとっても微笑ましかったですv
(もちろん、ラス様の為に甘さ控えめ☆流石ですv)ほのぼのしてて、思わず
お花見に行きたくなりますよねv(後日談の邪羅君が気の毒でしたが・・・)
ではでは、てーかさん、とっても春めいた可愛いお話を有難うございましたv
後記担当 ちな
てーかさんのサイトはこちらv→「茅菜同盟」
背景素材提供「一実のお城」様