宝物



振り返れば振り返るほど、愚かしさが募る。
自分は嵐の目のような存在なのだ。
自覚のないままにその奔流に他人を巻き込み、
これまで生きてきた。

幾度、大切な物を失っただろう。
それもこれも自分の無知さ故だった
力がなかったからだった。
否、力はあれど使い方をしらなかったのだ。
無我夢中で力を振りかざし、不器用なやり方で
向っていくことしかできなかった。

常に、迷う自分。
何一つ切り捨てることはできない自分の側にいてくれた。
痛いほど深い気持ちをぶつけてくれた。
私は彼からもたらされる感情に、ずっと
ずっと気づくことができず。
酷く傷つけていた
早く育ってくれという切なる願いの本質を
知らなかったから。
けれど、今ならわかる。
彼の憂いも。
この目で、手で、体で確かめた今は。

何て痛いのか。
激しい想いが、交わることは何て苦しいのか。
幸せで、どこまでも熱く。
このことを知る前に感じていた不安も、
戸惑いももう何も感じない。
とても自然で何の穢れなどないことなんだ。
彼の自分への想いの強さ、重さが
自分の中に浸透するかのごとく、
伝わってくるのがたまらなく嬉しい。

私の気持ちも彼に見せることができているだろうか。
今まで伝えられなかったものを全部。

伝わっているならば、彼は痛みを感じている。
私もこんなに痛いんだ。
甘くて切ない痛み。

求め合うこと。
奪い合うこと。

愛している。
好きだ。
何度言っても足りない。

もっと私を感じてほしい。
ほら、私はこんなにも闇主を感じてるんだ。

涙はとめどなく零れていく。
想いは溢れる。


ということで、麻弥様から頂いたSSですv
もうもうもうもうすっごくいいv!です!!思いが通じ合った後のラスさまの思いがもうもう
ひしひしっと伝わってきます!!もっと私を感じてほしい。ほら、私はこんなにも〜の下りには
ノックアウトです。まややちゃん、とっても素晴らしいSSを有難うございましたm(__)m

後記担当 ちな

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